クレジットカードの現金化で契約は無効でも救済されない?

クレジットカード現金化の契約は無効でも救済されるとは限らない

クレジットカードの現金化の契約は、一応は民法上の契約といえます。ただ、違法性が高い契約であるため、必ずしも有効とはいえません。また、場合によっては、取り消しができる可能性もあります。
このため、クレジットカードの現金化のサービスを利用した場合であっても、無効を主張できる可能性そのものはあります。

 

公序良俗違反

序良俗とは、民法第90条に規定されている、「公の秩序又は善良の風俗」のことです。この公序良俗に反する契約は無効となります。

 

第90条(公序良俗)
公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

 

他のページでも解説しているとおり、クレジットカードの現金化の契約は、詐欺罪・横領罪をおこなう契約です。このような犯罪をおこなう契約は、当然に公序良俗違反となります。このため、クレジットカードの現金化の契約は、業者と利用者の間では、そもそも無効であるといえます。

 

通謀虚偽表示

 

また、クレジットカードの現金化では、ほとんど価値の無い商品を形式的に売買することがあります。この売買の契約は、クレジットカードの発行会社を騙すためにおこなう、見せかけだけの契約です。このような契約は、民法上(第94条)、虚偽表示または通謀虚偽表示といわれます。

 

第94条(虚偽表示)
1 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

 

この規定により、見せかけだけの商品の売買は無効であるといえます。ただ、クレジットカードの現金化の契約の実態は、売買の後の買取りやキャッシュバックを装った金銭の貸付け=金銭消費貸借契約です。このため、単に商品の売買契約=全体の契約の一部が無効であるからといって、一概にすべての契約が無効であるとまではいえない可能性があります。
なお、民法第94条第2項により、善意(=事情を知らない)の第三者であるクレジットカードの発行会社に対しては、利用者は、現金化の契約が無効であることを主張(=対抗)できません。このため、いくら利用者が無効を主張した場合であっても、クレジットカードの発行会社がその無効を認めない限り、本条を根拠に契約が無効であることを主張することは難しいといえます。

 

無効=救済されるとは限らない

 

以上のように、クレジットカードの現金化の契約は、無効である可能性が非常に高い契約であるといえます。ただ、契約が無効であるからといって、必ずしも利用者が救済されるとは限りません。
契約が無効であるということは、最初からその効力が生じないことを意味します。このため、たとえクレジットカードの現金化のサービスを利用した場合であっても、何もしていないのであれば、利用者としては、契約の無効を主張するだけで、特に問題は発生しません。

 

問題は、すでにクレジットカードの現金化の利用により、商品の売買があった場合です。この場合も、契約の無効の主張自体はできます。通常の売買契約であれば、支払ったお金の返還も求めることができます。このような請求は、一般的には、いわゆる「不当利得」の返還義務(民法第703条)が根拠として主張されます。

 

第703条(不当利得の返還義務)
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

 

このため、一見すると、クレジットカードの現金化のサービスを利用してしまった場合であっても、その契約の無効を主張することで、お金を全額返還してもらうことができるように思われます。

 

お金は返ってこない

 

ところが、クレジットカードの現金化の場合は、支払ったお金の返還を求めることができない可能性が高いといえます。というのも、このような違法な契約にもとづくお金の支払いは、民法上は「不法原因給付」(民法第708条)といいます。

 

第708条(不法原因給付)
不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。

 

この規定で明らかなとおり、クレジットカードの現金化という違法な契約にもとづいて業者にお金の支払い(クレジットカードの決済)をおこなった利用者は、「その給付したものの返還を請求すること」ができません。このため、クレジットカードの現金化の業者に対しては、お金の返還を求めることができないことになります。
ということは、クレジットカードの現金化の業者に騙されてしまった場合、つまり、クレジットカードの現金化を利用したのに、業者から入金がない場合は、まったく救済されない可能性があります。
このように、クレジットカードの現金化は、民法上も非常にリスクが高いといえます。

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