クレジットカードの現金化は横領罪?

クレジットカード現金化は横領罪に!?

クレジットカードの利用によって購入された商品をクレジットカードの現金化の業者や第三者に買い取らせた場合、クレジットカードの利用者は、横領罪となる可能性があります。また、利用者のみならず、クレジットカードの現金化の業者や広告サイト・アフィリエイトサイト、口コミの投稿者でさえ、横領罪となる可能性もあります。

 

横領罪とは

横領罪とは、刑法第246条に規定されている犯罪です。

第252条(横領)
1 自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。

詐欺罪は、他人の財物を不法に領得する犯罪です。横領罪は、一般的に、次の条件(構成要件)を充たした場合に成立します。

 

①対象物が自己の占有する他人の物であること
②横領行為があったこと

横領行為については、領得行為説(判例・通説)と越権行為説の2説が主張されています。
横領罪は、懲役5年以下の刑事罰が科されます。また、横領により取得した財物または財産上の利益は、没収または追徴の対象となります。

 

クレジットカードで買った商品は他人の物か

クレジットカードを使用して商品を購入した場合、その商品の所有権の移転は、クレジットカードの発行会社と加盟店との規約、加盟店と購入者との売買契約、クレジットカードの発行会社と購入者との規約により、決定されます。
一般的には、購入された商品の所有権は、加盟店からクレジットカードの発行会社に移転した後、購入者からのクレジットカードの発行会社への支払いが完済された時点で購入者に移転します。
逆にいえば、クレジットカードの発行会社への支払いが完済されるまでの間、クレジットカードの使用によって購入された商品の所有権は、クレジットカードの発行会社に留保されています。
この点から、クレジットカードを使用して購入された商品は、そのクレジットカードの発行会社への支払いが完済されるまでは、購入者の物ではなくクレジットカードの発行会社=他人の物であり、購入者は、その他人の物である商品を占有しているに過ぎません。

 

クレジットカードの現金化は横領罪か

さて、クレジットカードの現金化の手法のうち、買取屋方式の場合、クレジットカードの現金化の業者または古物商・チケットショップなどの第三者に対し、何らかの商品を買い取ってもらうことになります。
この場合、すでにのべたように、買い取られる商品は未だクレジットカードの発行会社の所有物=他人の物です。現金化のために利用される物は、一般的には、(少なくとも見かけ上は)高額な物です。このような高価な他人の物を第三者に買い取ってもらう行為は、横領行為に該当する可能性があります。
このように、他人であるクレジットカードの発行会社の物を第三者に買い取ってもらう行為は、利用者による横領罪に該当する可能性が非常に高いといえます。

 

返すつもりがあっても横領罪

なお、クレジットカードを現金化した際には、最終的にはクレジットカードの発行会社からの請求があります。この場合において、利用者が結果的に発行会社に対してお金を支払うことができたとしても、横領行為自体があったことには代わりがありません。
このため、クレジットカードの現金化の際に、当初からクレジットカードの発行会社に対してお金を支払う(返す)つもりがあったとしても、横領罪となります。
この点は、「占有者において不法に処分したものを後日に補填する意志が行為当時にあったからとて横領罪の成立を妨げるものでもない」(最高裁判例昭和24年3月8日)とあるように、過去の判例でも示されています。

 

以上のように、クレジットカードの現金化は、クレジットカードの利用者による横領罪に該当する可能性が高いといえます。

 

共犯(共同正犯、教唆、幇助)も横領罪

クレジットカードの現金化が横領罪となる可能性があるのは、利用者だけではありません。刑法では、共同正犯、教唆、幇助など、犯罪に関与した者に対する刑事罰(いわゆる共犯)も規定されています。
この点から、クレジットカードの現金化の業者は、利用者とともに積極的にクレジットカードの発行会社から金銭を横領した場合は横領罪の共同正犯、利用者を唆してクレジットカードを現金化させた場合は横領罪の教唆、利用者のクレジットカードの現金化を助けた場合は横領罪の幇助となり、いずれも刑事罰が科されます。
これは、クレジットカードの現金化の業者に限ったことではありません。利用者を唆す行為や利用者を助ける行為は、どのような立場の者であっても、詐欺の共同正犯、教唆、幇助となる可能性もあります。
例えば、クレジットカードの現金化を推奨するサイトの運営者や、クレジットカードの現金化の口コミを投稿した者などが該当する可能性があります。これらの者も、サイトや口コミの内容次第では、横領の教唆・幇助となる可能性は十分に考えられます。

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